HRTF

夜道を一人で歩いていると,後ろから足音が・・・

なぜ,後ろからと分かるのでしょうか? 見えないのに.
それはヒトには音がどこで鳴っているのかを知覚できる能力があるからです.

ヒトが外界の情報を得る方法は色々あります.
その中でも,身の回りの危険を察したりするのに多く利用されるのは,視覚と聴覚です.
視覚は正確な情報を得るのに適していますが,前方の危険しか察知する事ができず,
また目をつぶっていれば利用する事ができません.
また,暗闇では視覚による情報収集能力は低下します.
一方,聴覚は人間の身の回りの全ての方向からの情報を集める事ができ,
なおかつ,暗闇でもその能力は変わりません.
また,聴覚には単に「音を聴く」能力だけではなく「どこで音が鳴っているか」を推測する能力があり,
危険を察知するために重要な役割を果たしています.

ではヒトは一体どうやって「どこで音が鳴っているか」を推測しているのでしょうか?
音源から発せられて鼓膜に到達する音は頭部や外耳によって歪まされます.
音が到来する方向によってこの「歪み方」が異なり,
ヒトはその違いによって音が到来する方向を判断しています.
この頭部や外耳による音の「歪み方」を
頭部伝達関数(Head-related Transfer Function: HRTF)
と呼びます.

このHRTFを利用すれば,実際には音源が存在しない位置から音が到来
しているかのようにヒトに知覚させるといった,「音に関するバーチャ ルリアリティー」
を実現する事が可能です.
本研究室では,このHRTFをコンピューターシミュレーションによって計算し,
バーチャルリアリティーシステムの構築を目指しています.


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