| 概略 |
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哺乳類の動物にとって耳は外敵が近くに存在することを発見するためのセンサーである。猿から人に進化し、草原を歩く必要が生じた時に、ライオンや豹などの肉食獣が草原に潜んでいることを事前に察知するために、
聴覚は生きのびるために必要な感覚器官だった。 ライオンが見えてから逃げるのでは遅い。そのようにして何十万年もの草原における淘汰を経て、人の聴覚の機能は今の状態に進化してきた。我々にとって、もはやライオンは外敵ではない。しかし、身の回りの安全を確信するためには聴覚はどうしても必要な器官だ。 例えば次のような思考実験をしてみてほしい。深夜に人通りの多い繁華街をウォークマンを聞きながら歩いているとする。そこから路地裏に入ったら「ひったくりに注意」と看板が掲げてある。路地裏は初めて通る道で、人通りが少なく、街灯もなく暗い。あなたはどうするだろうか?ウォークマンを聞くのをやめるだろう。 |
そのような道では身を守るためのセンサーとしての聴覚の本来の機能をさせることが必要になるからだ。目覚まし時計は音によって睡眠状態から覚醒状態に移行させるものだ。音の代わりに光を用いる方法では難しい。例えば時間が来たら部屋の明かりをつけるような目覚まし時計は機能しない。睡眠状態では耳は閉じないが、目は閉じてしまうからだ。
聴覚は睡眠中もセンサーとして機能しており、安全を守るために睡眠状態から覚醒状態に移行させるためのスイッチとなる。 身の回りの安全を確信するという耳の機能は現代社会において邪魔な部分もある。聴覚は極めて微弱な気圧の変化(すなわち音圧)を感じてしまうため、機械が発生する大きな音圧は騒音となって人に被害をもたらす。場合によっては聴覚器官を壊してしまい機能不全に陥らせることもある。また聴覚器官を壊さなくても心理的な影響が生じ、ストレスによる障害を起こすこともありうる。音環境は人にとって大切なものだ。我々が真に人として生きるために、これからも人が進化を続けていくために、よりよい音環境を創成することが必要だ。 |
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